第4話 意見の違いをどう扱うか

― “正しさ”よりも“つながり”を残す対話 ―

「どうして、わかってもらえないんだろう。」
「言っても、結局いつも同じ話になる。」

職員会議や話し合いのあと、
そんな気持ちでため息をついたことはありませんか?

園をより良くしたいと思って提案しても、
返ってくるのは“反論”や“沈黙”。
次第に、「もう言わないほうが楽かも」と思うようになる。

でも、意見が違うのは、悪いことではありません。
むしろ、“違いがあること”こそ、チームの強さの証です。


目次

意見がぶつかるのは「価値観がある」証拠

人が意見を持つのは、園や子どもたちへの思いがあるから。
意見の違いは、関心や責任感がある証拠です。

たとえば――

  • 「子ども主体」を大事にしたい人
  • 「安全第一」を優先したい人
  • 「現場が回ること」を重視する人

どれも間違いではありません。
ただ、“優先したい価値”が違うだけ。

だから、ぶつかったときこそ、
「どちらが正しいか」ではなく、
「何を大切にしているのか」を聴いてみることが大切です。


話し合いが“対立”になる理由

園の会議がギスギスしてしまうのは、
意見そのものよりも、“伝え方”に感情が乗ってしまうからです。

相手を説得しようとするほど、
「自分のほうが正しい」というメッセージになり、
相手の防衛反応を呼び起こします。

心理学的には、これを「正しさの衝突」といいます。
対立を避けるには、まず“評価”を手放すこと。
意見を聞いたときに、すぐ反論せず、
一度「そう感じるんですね」と受け止めてみましょう。

この“ワンクッション”があるだけで、
場の温度はやわらぎます。


“正しさ”よりも“関係”を残す

リーダーが本当に守るべきものは、
「誰の意見が通るか」ではなく、
「関係が続くこと」です。

意見の違いを乗り越えた経験が、
チームに“信頼の筋肉”をつくります。

たとえば、
・反対されたときは「意見を言ってくれてありがとう」と伝える
・自分が間違っていたときは「教えてくれて助かりました」と言葉にする
・意見が割れたときは「今回はこの方向で、次にまた話し合おう」と締めくくる

こうしたやり取りが、
「意見を出しても安全」な空気を育てていきます。


まとめ:違いを超えて、つながりを残す

意見の違いは、チームを壊すものではなく、
お互いの“視点の豊かさ”を教えてくれるものです。

正しさを手放しても、関係を残すことはできます。
そして、その関係が次の改善を生み出します。

🌱
意見の違いを“対立”で終わらせず、
“次の対話”につなげていくこと。
それが、園を動かすリーダーの新しい力です。


🌿
次回は、
第5話「何を言っても変わらないと感じたとき」
― あきらめを希望に変える視点 ―
をテーマにお届けします。

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この記事を書いた人

産業保健師・公認心理師として、働く人の健康支援に10年以上携わってきました。

保育園での勤務経験も踏まえ、現場の状況に寄り添いながら、
保育園向けの研修や職場づくりのサポートを行っています。

心理的安全性やコミュニケーションの視点から、
先生も職員も安心して働き続けられる環境づくりをお手伝いしています。

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