第5話 何を言っても変わらないと感じたとき

― あきらめを、希望に変える視点 ―

「何度言っても変わらない。」
「どうせまた、同じことになる。」

そんな言葉が、ふと心の中に浮かぶ日がありませんか?

園を良くしたい気持ちはある。
でも、提案しても響かず、
話し合っても空気が変わらない。

やがて、
“伝えること”よりも“傷つかないこと”を優先するようになっていく。
それは、頑張りすぎた人ほど陥りやすい、
「心の防衛反応」です。


目次

「あきらめ」は、心を守るサイン

実は、“あきらめ”は悪者ではありません。

心理学では、あきらめ(=一時的な撤退)は
「エネルギーを温存するための自然な回復行動」とされています。

ずっと頑張り続けてきたからこそ、
「これ以上、傷つきたくない」と感じるのです。

つまり、“何も感じない”ように見えても、
その奥には、“まだあきらめきれない想い”が残っています。
それが、希望のかけら。


変わらないように見えて、動いている

園は「人」でできています。
人は、すぐには変わりません。
けれど、関係の中では、確実に少しずつ動いています。

たとえば、
・あなたが以前より落ち着いて話すようになった
・意見を言わなかった職員が、少し反応してくれた
・以前より雰囲気が和らいだ

そんな小さな変化は、
「伝わらなかった」ではなく、「時間をかけて届いている途中」。

“変わらない”ように見える時間は、
“変化が地中で根を伸ばしている時間”でもあります。


希望は「続ける」中から育つ

園を変えるのは、一度の改革でも、完璧な提案でもなく、
“続けていく姿勢” です。

伝わらなくても、
反応がなくても、
“あきらめないで考え続ける人”がいること。
それが、園の希望になります。

職員が変わる前に、
「変わろうとし続けるリーダーの姿勢」が、
ゆっくりと空気を変えていくのです。


まとめ:変わらなくても、意味がある

“何を言っても変わらない”と感じるのは、
あなたが本気で園と向き合っている証。

誰かに届かなかった日も、
「伝えようとした自分」を責めなくて大丈夫です。

変化は、“結果”ではなく“過程”の中にあります。

今日、あなたが声を出したそのこと自体が、
もうすでに一つの変化を生んでいます。

🌱
次回は、
第6話「園を変える力は“孤独”の中から育つ」
― 動けない時間にこそ意味がある ―
をテーマにお届けします。

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この記事を書いた人

産業保健師・公認心理師として、働く人の健康支援に10年以上携わってきました。

保育園での勤務経験も踏まえ、現場の状況に寄り添いながら、
保育園向けの研修や職場づくりのサポートを行っています。

心理的安全性やコミュニケーションの視点から、
先生も職員も安心して働き続けられる環境づくりをお手伝いしています。

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