第2話 反対意見の中にある“守りたい気持ち”を見つける

― 否定の言葉の奥には、不安や責任感がある ―

「また新しいことを始めるの?」
「そんな時間、どこにあるんですか?」

会議や打ち合わせで、そんな言葉に心がざわつくことはありませんか?
いい園をつくりたい、職員を育てたい――
そう願って提案しても、返ってくるのは“否定”や“ため息”。

「どうしてわかってもらえないんだろう」
そう感じた瞬間、胸の奥にぽっかりと寂しさが残る。

でもその“反対の言葉”の裏側には、
実は「守りたい」気持ちが隠れていることが多いのです。


目次

反対意見の正体は「不安」と「責任感」

保育の現場での反対意見は、単なる否定ではなく、
多くの場合、“現状を守りたい”という防衛反応です。

人は「わからないもの」に不安を感じ、
その不安を“反対”という形で表現します。

たとえば――

  • 「やってみないとわからない」と思っても、“失敗したらどうしよう”という不安が先に立つ。
  • 「また負担が増える」と言う人ほど、“子どもたちに迷惑をかけたくない”と思っている。

反対の声は、「変化」への抵抗ではなく、
「自分の仕事を守りたい」「仲間を守りたい」気持ちの表れなのです。


「敵」ではなく「仲間」として聴く

意見がぶつかる場面で大切なのは、
“相手を説得する”より、“相手の背景を理解する”こと。

たとえば――

「どうして反対なの?」ではなく、
「どんなところが不安に感じますか?」

と尋ねてみる。

問いの角度が変わるだけで、
「攻められている」から「聴かれている」に変わります。

心理的安全性が高い職場では、
意見の違いを“対立”ではなく“情報”として扱います。
つまり、「反対意見=チームの中にある新しい視点」。

園を変えるヒントは、いつも“異なる意見”の中にあります。


理解されると、人は変わる

人は「正しいこと」で動くよりも、
「わかってもらえた」と感じたときに動き始めます。

たとえ方向性が違っても、
「あなたが心配してくれていること、よくわかります」
と一言返すだけで、関係の温度が変わります。

反対している人は、“変化を止める人”ではなく、
“園を守ろうとしている人”。
その視点を持てるだけで、場の空気が穏やかになります。


まとめ:反対の中にある「優しさ」に気づく

反対意見に疲れてしまうときは、
「自分が責められている」のではなく、
「園の未来を一緒に心配してくれているんだ」と
少しだけ視点を変えてみてください。

反対意見は、変化を止める壁ではなく、
信頼を築くための“扉”です。

🌱
次回は、
第3話「“任せる怖さ”と“任される怖さ”のあいだで」
― チームが動かない本当の理由 ―
をテーマにお届けします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

産業保健師・公認心理師として、働く人の健康支援に10年以上携わってきました。

保育園での勤務経験も踏まえ、現場の状況に寄り添いながら、
保育園向けの研修や職場づくりのサポートを行っています。

心理的安全性やコミュニケーションの視点から、
先生も職員も安心して働き続けられる環境づくりをお手伝いしています。

コメント

コメントする

目次