こんにちは。
日々、子どもたちと向き合う中で「自分のことは後回し」と感じていませんか?
ある先生がこう話してくれました。
「朝から子どもたちの元気を受け止めて、泣いたり笑ったりする気持ちに寄り添う。
夕方になると“今日は気持ちを休める暇がなかったな”って思うんです。
家に帰れば家事や家族のこともあって……。
休むって、いつできるんでしょうね」
また、別の先生はこうも言いました。
「体調が悪いときほど、同僚に迷惑をかけたくなくて“頑張らなきゃ”と思ってしまうんです。
でも、頑張った先でさらに疲れてしまって……悪循環ですよね」
きっと「わかる」と共感される方も多いのではないでしょうか。
セルフケアは「我慢」ではない
セルフケアという言葉を聞くと「もっと強くならなきゃ」「一人で頑張ること」と思われがちです。
でも、それは誤解です。
世界保健機関(WHO)ではセルフケアを
「自分自身の健康や幸福を守るために、個人が持ち、用いる能力や行動」
と定義しています。
つまりセルフケアとは――
- 無理に強くなること
- 一人で抱え込むこと
ではなく、
「壊れてしまわないように、自分を大切にする仕組み」 なのです。
保育士にとって特別なセルフケア
睡眠・食事・運動といった一般的なセルフケアはもちろん大切です。
でも、保育士さんにとってはそれだけでは足りません。
なぜなら、保育の現場は――
- 子どもの感情を全身で受け止める
- 保護者との関わりに心を砕く
- チームで協力し合うことが前提
といった、感情と人間関係のエネルギー消費が非常に大きい場所だからです。
専門家として見えてきたこと
私は産業保健師・公認心理師として、たくさんの保育士さんのお話を聴いてきました。
「もう限界かもしれません」と涙を流された方もいます。
そのとき、強く感じたのは――
保育士さんには“保育士さんならではのセルフケア”が必要だということです。
例えば、
- 子どもの感情に巻き込まれすぎない工夫
- チームの中で助けを出す勇気
- “仕事の顔”を外して自分に戻る時間
こうしたことは、一般的なセルフケアにはあまり書かれていません。
でも、日常の中に小さく取り入れることで、確かに「心を守る力」になります。
あなたに伝えたいこと
セルフケアとは、弱さを隠すための言葉ではありません。
むしろ、自分を大切にする力です。
「頑張らなきゃ」という思いは、そのまま大事にしていいんです。
でも同時に「どうすれば頑張り続けられるか」を考えることもまた大切。
次回からは、保育士さんの毎日に寄り添う 具体的なセルフケア を、一緒に見ていきましょう。
あなたが自分を守ることは、子どもや仲間を守ることにもつながります

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